ご挨拶
ご挨拶
会長 北村 晶
埼玉医科大学国際医療センター麻酔科
このたび第40回体液・代謝管理研究会年次学術集会を2025年2月15日(土)に大宮ソニックシティ(さいたま市)にて開催いたします。本研究会は40年前に麻酔科、集中治療、救急医療、腎臓内科、臨床工学技士、栄養士など多分野にわたって、体液管理に関する意見交換をする研究会として発足いたしました。今回は第40回ということで、円熟期に入り現在にいたっておりますが、第1回より一貫して侵襲下の生体に対する体液と代謝の問題を総合的に研究し、この方面からの生命維持に関する理論、ベッドサイドでのデータ表示、臨床的活用法などの進歩を図り、関連領域の医学の発展に寄与することを目的としてきました。
近代の輸液療法の概念は、出血に対していかに対応するかを中心に構築されてきました。術中出血に見合う十分な体液補充ということです。しかし時代も移り変わり、思わぬ出血に対応するために十分量を入れてきた輸液療法では、過剰輸液の弊害が問題になってきました。サードスペース、NPO、不感蒸泄といった考え方が再評価されるようになり、制限輸液の概念がでてきました。さらに、循環管理を目安とした目標指向型輸液療法への展開もあり、今後まだまだ発展の余地がある分野です。そしてこれらは特定の医療分野の専門家のみでなく、広く医療関係者全員の基礎知識となるべきと考えます。
第40回のテーマですが、「周術期輸液管理のトピックスと多職種連携」としました。現代の患者管理はせまい了見にとどまらず、関係各所それぞれの分野のエキスパートの先生方が最新の情報を盛り込んで行われるべきです。今回、改めて多くの分野の先生方にあまねく知っていただきたく本学術集会の主題とさせていただきました。学会当日には、午前に教育講演とミニシンポジウム、さらにランチョンセミナーと総会を挟んで、午後には多分野からの基調講演に加えたシンポジウム形式のパネルディスカッションを予定しております。本学術集会を主催するにあたり、医師・看護師・臨床検査技師・臨床工学技士・栄養士はもとより、医療の充実・発展に尽力されている医療機器や医薬品メーカーの皆様にとりましても、実りある会となりますよう準備してまいります。
どうぞ本学術集会へのご参加を心よりお待ちしております。
2024年7月吉日